大きな夢を持つ小さな村、西興部の”村長ラーメン”

こんにちは、オホタ編集長の佐久間茜華です。

今回は北見から運転すること3時間。オホーツク北部に位置する、夢見る小さな村「西興部」に行ってきました。

 

母町である興部の西にあることから名付けられた「西興部」という村。オホーツク紋別空港から海沿いを走り、興部町から深い森に囲まれた道を走ること1時間と少し、突然オレンジ色の集落が現れます。この村の森林面積は総面積の89%。人口は2017年3月31日時点で1,118人。

そんな小さな村の1つの夢施設に”村長ラーメン”なるものがあるそうです。

 

大自然の中でおもてなし 森のホテル「森夢」

 

綺麗なオレンジ色の建物、ここが森夢(Rimu)。中に入ると優しい太陽の光が降り注ぐ、広々としたエントランス、ロビーが迎えてくれます。

 

 

村長ラーメンは、ここ森夢でしか提供していません。わざわざ遠方から村長ラーメン目当てに訪ねてくる人も多いのだとか。

村長が作るラーメンだから、すごく立派な食材を使っていたり?村長が好きな具材が入るラーメンだったり?想像してもわからないので、早速注文してみることにしました。

 

村長ラーメンってどんなラーメン?

 

出てきたのは、チャーシューに、もやしに、麺・・・一般的なラーメン!?

いえ、村長だからといって具材を立派にしたり、好きな具材を使ったり、そういうことではなく、村自慢の食材を使ったラーメンを提供したい。ということだったのです。

 

西興部自慢の鹿肉とアイヌネギをたっぷり使ってます。

この村長ラーメンは、前村長が考案したもの。西興部で加工まで行う鹿肉とアイヌネギをたっぷり使用したしょうゆ味のラーメンです。

アイヌネギは旬な時期に用意。春は生のまま使用しますが、基本は数十キロ単位でそのまま冷凍保存してから使用します。そして、鹿肉は森夢でチャーシューにし、トッピングします。

 

 

ホテル森夢の調理長を務める高澤さんは、数年前にこのホテルに来ました。初めてこのラーメンを作った時は、アイヌネギのにおいがレストラン中に充満しました。冷凍保存しても全くにおいと香りが変わらず、驚いたと話します。

用意する村長ラーメンはしょうゆ味ですが、辛さが3段階で選べるようになっています。普通のピリ辛である”並”、中、そして激。さらに、村長ラーメンスペシャルというものもあります。麺の量は変わりませんが、チャーシューが通常2枚のところ4枚つき、キムチもつくと言います。こちらも同様に3段階の辛さを用意します。

 

今回実食してもらうのは、まだ村長ラーメンを食べたことがないという、西興部村役場に本年から勤務となった 齋藤大樹さん。

 

 

いざ、実食!

 

 

まず、香りを・・「アイヌネギの香りが美味しい!」カメラを構える筆者にもその香り、きちんと届きました。

 

 

「美味しい!ラーメン屋さんで働いていたから、すごく気になっていたけど、しょうゆ味とアイヌネギの味、風味、とてもよく合います。

そして、鹿肉。臭いイメージがずっとあったんですが、全く臭みがありません。チャーシューもすごく美味しいです。」

 

 

西興部には血抜きや保存方法という下処理に優れている鹿肉加工場があるため、臭みを残さず、美味しさだけを残した鹿肉を提供することができるそうです。

”鹿肉が美味しいものという認識が多くの人にはありません。ここ、西興部では美味しい鹿肉が食べられるということを伝えたい。”前村長がこのラーメンを考案したのにはこういう理由があったのです。

 

販売当時から変わらない味

17〜18年ほど前からホテル厨房で調理をするスタッフさんに伺うと、この村長ラーメンが出来たのは勤めるよりも前、1996年から販売していたと言います。その頃からラーメンの味や具材は全く変わりません。変わったとしても調理人による微妙な盛り付けの違いくらいだと言います。

これからも村長ラーメンを提供し続けますが、他の鹿肉メニューも出せたら・・と調理スタッフの皆さんは言います。もともと、鹿の肉をカツにしたものを3枚ほど使い、カツカレーも提供していました。その名も、副村長カレー(笑)今は売れ行きが伸びず、提供していませんが、今後も何かアイデアが浮かべば取り組んでみたいと意気込みます。

 

 

名寄から転勤してきた斎藤さんも、美味しいと太鼓判。20年間変わらない西興部の味を求めるのは、観光で来た人も、地元の人も同じ。ただ、アイヌネギの強烈な香りのせいか、女性よりは男性の方が食べているそうですが・・(笑)

ぜひ、皆さんも西興部を堪能できるラーメンを食べてみてくださいね。

 

 

西興部村の、あと3つの夢

 

今回取材に協力いただいたのは、森の中のホテル”森夢”さん。冒頭にて西興部は「夢見る小さな村」とご紹介していましたので、残る3つの夢をご紹介。

森夢に隣接する”夢”として、おもちゃの交通博物館や、14万個もの木のボールで作った日本一大きな木の砂場を持つ、木育の美術館「木夢(komu)」。

そして、その裏にはマルチメディア館としてCATV業務を行うNCN(西興部コミュニケーションネットワーク)の放送室や、村内全世帯に行き渡る「光ファイバー」を活用したインターネット接続(FTTH)のプロバイダ業務や、パソコン研修を行う「IT夢(アトム)」。

さらに4月から10月の間四季折々の花が途切れることなく咲き続けるフラワーパークと、国内では珍しい”風で動き、風で音を奏でる”「音・木・林(おとぎばやし)」がある道の駅「花夢(kamu)」。

まさに、夢のような施設を4つ持つ村なのです。

 

そして、気づきましたか?森夢、木夢、IT夢ともに壁紙がオレンジ色なことに。

1999年に制定された美しい村づくり条例。そこから村のシンボルカラーである”オレンジ色”に統一させた公共施設の整備が始まりました。今では、夢の施設だけでなく、西興部村役場や学校もオレンジ色に統一されています。

 

全部で4つの夢と、異国的な雰囲気を持つ西興部村へ、どうぞお越しください。